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愛しさに気づかぬうちに「コーヒーが冷めないうちに」第6弾ネタバレありであらすじと感想

テーブルの上のコーヒー 読書
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サンマーク出版から川口俊和さんの小説「コーヒーが冷めないうちに」続編第6弾となる「愛しさに気づかぬうちに」が発売されました!そこにある人物相関図を見て、おおっっ!!新谷刻の名前があるっっ!!とうとう数ちゃんの夫となるひとのことがわかるのか??と期待大で読みました。この記事ではネタバレありであらすじと感想をまとめています。

「愛しさに気づかぬうちに」は

「コーヒーが冷めないうちに」の続編としてシリーズ第6弾になる「愛しさに気づかぬうちに」では、喫茶店フニクリフニクラの店主・さんの娘のミキちゃんは3歳で、まだちゃんが過去に戻るコーヒーを淹れられるウェイトレスとして働いています。

前作である第5弾「やさしさを忘れぬうちに」ではミキちゃんは2歳だったので、その翌年と言うことになります。

「やさしさを忘れぬうちに」については以下の記事でまとめています。

第一話 お母さんと呼べなかった娘の話

第一話の主人公は東郷アザミ

「コーヒーが冷めないうちに」シリーズのレギュラーである清川二美子さんの会社の先輩です。

アザミさんはフニクリフニクラで、彼女が14歳だった頃の話をします。それを聞いているのは二美子さんと数ちゃん、そして三田絹代さんです。

絹代さんは、シリーズ第2弾「この嘘がばれないうちに」に登場する、数ちゃんにとって特別なひとです。

ある日、踏切に入っていこうとする幼い数ちゃんを引き留め、「おばちゃんも一緒に連れて行ってくれない?」と言ったのが絹代さんなのです。

「この嘘がばれないうちに」については以下の記事をどうぞ。「コーヒーが冷めないうちに」と共にまとめています。

アザミさんは、父親の再婚相手の由美子さんをお母さんと認められず、家を飛び出し、心配して探し続けた由美子さんを「あんた」と呼び、傷つけることを言ってしまいます。

その後、アザミさんは由美子さんと同じく、結婚相手の血のつながらない子を育てる母となり、初めて自分のしたことを悔やむのです。アザミさんの子は、アザミさんをお母さんと受け入れてくれていました。なぜそれを自分はできなかったのか、どれだけ由美子さんを傷つけたか。

その由美子さんに謝ることもできないまま、由美子さんは亡くなりました

アザミさんの話の途中で、絹代さんは孫の陽介君が迎えに来て店を出ますが、その時に数ちゃんに自分の絵画教室を手伝って欲しいと頼み、数ちゃんは困惑しながらも断れずに引き受けます。

そして話はアザミさんにもどります。

アザミさんはかつて、後輩の二美子さんが、アメリカに行ってしまった恋人の五郎君に会うため、フニクリフニクラで過去に戻った話を聞いていて、自分も亡くなった由美子さんに会うために来たのでした。

でも、アザミさんは、フニクリフニクラで過去に戻るにあたっての『めんどくさいルール』を知らなかったのです。

過去に戻れても、フニクリフニクラの過去に戻れる席からは立てないため、フニクリフニクラに来ていないひとには会えないのです。だから、フニクリフニクラに来ていない由美子さんには会えない。

でも、そこへ帰ってきた流さんと小さなミキちゃんの電話ごっこの遊びを見て、二美子さんが思いつきます。会えないかもしれないけど、電話で話せるのでは?数ちゃんも可能だと頷きます。

アザミさんは怖い気持ちもありながら、過去に戻ります。

アザミさんが由美子さんを受け入れられなかった当時の気持ちも判明。

過去のフニクリフニクラでは、すでに亡くなっている流さんの妻・さんがいました。

アザミさんと由美子さんはどうなるのか。そこはぜひ読んでみてください。

数ちゃんのお母さんが消えた理由

さて、アザミさんが店を出た後、二美子さんが思いを巡らせることがあります。

それは、数ちゃんのお母さんが消えた理由は何だったのか

これは「コーヒーが冷めないうちに」シリーズを通していまだに謎であり、もともと明るかった数ちゃんが、自分は幸せになってはいけないと思い込む理由にもなってしまっています。

過去に戻れる席にいる先客・白いワンピースの女こそ、幼い数ちゃんが淹れたコーヒーによって過去に戻り、亡くなった夫に会いに行ったまま戻らずに幽霊となってしまった数ちゃんのお母さんさんです。

結論から言うと、この「愛しさに気づかぬうちに」でも、その理由は謎のままです。

でも、二美子さんに数ちゃんが言うセリフがあります。(以下「愛しさに気づかぬうちに」より引用)

「当時、母は私よりも父を選んだんだと、そう思っていました」

「でも、最近、もしかしたら、人間の愛おしいという気持ちに優劣などないのかもしれないと思うようになりました」

「比べるものではないのかもしれません」

「母が過去から戻ってこられなかったことと、愛おしいという気持ちは別次元のことだから・・・・・・」

普段無口な数ちゃんが、穏やかな顔で二美子さんに話すのです。二美子さん、だいぶ受け入れられてきているのですね。

お母さんが消えた理由がわかるとしたら

いつ数ちゃんのお母さんが消えた理由が判明するかわかりませんが、それがわかるのは、お母さんがもどった過去のフニクリフニクラにいた人物だろうと思います。

可能性として私が考えている一人目は、流さんの母親であり数ちゃんの伯母さんにあたる時田ユカリさん。

数ちゃんが幼かったのだから、当然9歳年上のいとこの流さんも若くて(おそらく高校生)、まだお母さんが一緒にいたのではないかと思うのです。自由奔放にあっちこっち行っていたユカリさんなので、いなかったかもしれませんが。

ユカリさんは、「思い出が消えないうちに」に登場し、すごい活躍をしますが、実際に目の前には出てきていません。

二人目は、数ちゃんのお父さん。

数ちゃんのお父さんが未来へやってきて数ちゃんに語るというパターン?

数ちゃんのお母さんの要さん自身はもうコーヒーの力を使ってしまっているため、二度と使えませんが、亡くなっているお父さんがまだその力を使っていないなら、大人になった娘に会いに来ることが可能なのではないでしょうか。

お母さんがコーヒーを飲み干せず、消えて幽霊となってしまった理由を理解するのは、大人になった数ちゃんでなければ無理で、それを考えたお父さんが未来にやってくるというのはどうでしょう?あくまで私の予想のひとつですが。

どうやって判明するのかなあといろいろ想像しています。

第二話 彼女からの返事を待つ男の話

第二話!とうとう新谷刻が登場しました!!

これまで、数ちゃんに3回告白してやっと付き合いだした大学の先輩としかわからず、本人は登場していません。

「思い出が消えないうちに」で数ちゃんの夫となっていて、娘の幸ちゃんも登場します。

世界的に有名な写真家で世界中を飛び回っていて、仕事上は新谷を名乗っていますが時田家に婿入りしています。

その刻さんがようやく登場です。

「思い出が消えないうちに」については以下の記事をどうぞ。

刻さんが数ちゃんを知ったのは、刻さんと数ちゃんが通う美術大学の文化祭で展示されていた、「母」という数ちゃんの絵に刻さんが惹かれたから。

その絵は、踏切の遮断機とオレンジの街並みが写真のように描きこまれているのに、人間がひとりも描かれていません。

でも、手前から少女の影が伸びていました。その少女は線路の上に立っている位置です。

絹代さんが声をかけた、あのシーンなのでしょうか。

刻さんは、古い廃屋や老木に残る「時間を撮る」のが好きで、フォトグラファーとして世界を回るのが夢でした。

刻さんはどうしようもなくその絵に惹かれ、作者である時田数に会いたくなったのです。

この第二話では、しばらくフニクリフニクラで過ごし、流さんと二美子さんとやりとりをしますが、数ちゃんに渡す写真集を流さんに預け、フライトの時間があるからと数ちゃんに会うことなく店を出て行きます。

この第二話の主人公は沖島友和。刻と入れ違いにフニクリフニクラにやってきます。

彼を見て、流さんは「もうそんな時期になりますか?」と言います。

彼は毎年同じ時期にフニクリフニクラにやってくるのです。

そして店にいなかった数ちゃんがミキちゃんと帰ってきました。ミキちゃんとお花見に行っていたそう。

刻さんが来ていたことを知りますが、いつもと変わらない反応。

そして二美子さんは、沖島に興味を持ち話しかけます。

7年前に過去に戻ったことがある沖島友和の話

実は沖島はすでに過去に戻ったことがある客でした。

それを二美子さんに語り始めます。

沖島は中学2年生。バレンタインデーの思い出。

沖島が気になる女の子は小崎カンナ。背の高いおとなしい女の子で、友達の林田曰く、いつも沖島を見ているという。

恥ずかしがり屋の沖島は、カンナとは挨拶する程度。

放課後、美鈴が沖島を呼び出します。美鈴が自分にチョコをくれるのかと思う沖島。

ところが美鈴は、友達のカンナに協力しただけで、沖島にチョコを渡したのはカンナ

カンナと両想いとわかる沖島ですが、この後、林田・美鈴・カンナとの、若者たちの間のあるある展開が繰り広げられ、沖島は別の女の子が好きという誤解をカンナにされてしまい、カンナはその場を走り去り、沖島も追いかけられませんでした。

追いかけられなかった沖島には、いろいろな思いがあったのですが、次の日、沖島はそれを正直にカンナに話そうと決意します。

ところが次の日、思ってもみなかったことが。

走り去ったカンナはフニクリフニクラに立ち寄り、その帰り道で事故にあって記憶喪失になり、転校してしまうのです。

気持ちを引きずる沖島は、カンナが来ていたというフニクリフニクラにやってきて、この店の過去に戻れるコーヒーのことを知り、過去に戻ったのでした。

ところが戻った過去には、カンナだけでなく美鈴もいて、コーヒーが冷めるまでのわずかな時間では気持ちを伝えることができず、沖島はギリギリであることをカンナに伝えました

彼がカンナに何と言ったのか、それから7年、決まった時期に彼がフニクリフニクラを訪れるのはなぜか、はぜひ実際に読んでみてください。

第三話 自分の未来を知りたい女の話

第三話は、流さんと二美子さんの会話から始まります。内容は刻さんと数ちゃんのこと。

そういう男女間のいろいろに鈍感な流さんは、二美子さんのようには気が回りませんが、刻さんが自分もいる目の前で数ちゃんに交際を申し込み、断られているのを知っています。

申し込んだのは、数ちゃんの絵に惹かれ、店に来るようになって半年ほどのことで、それから7年が過ぎています。

そこへいつものカウベルの音とともにやってきた客は加部利華子という32歳の女性。

未来に行きたくての来店でした。

この利華子という女性、あの平井八絵子さんの高校の部活の後輩でした。

平井さんは「コーヒーが冷めないうちに」に登場し、死んでしまった妹に会うため過去に戻った常連客で、スナックのママをしていたのですが店をたたんで実家の旅館を継いで女将をしています。

利華子は久しぶりに再会した平井さんに、相談をします。

実は、彼からプロポーズをされたのだけれど、自分にがんが見つかり、5年生存率は6割と言われたというのです。

「死ぬかもしれないけど結婚してほしい」とは言えなくて、彼女は辛い気持ちを誰にも言えずにいて、初めて平井さんに打ち明けたのです。

平井さんは、今までも何度か登場する中で、すごいひとだとわかっていますが、この第三話では高校の頃から今もずっとすごいひとだとわかります。いい先輩と再会できて利華子はよかった。

利華子は、平井さんからフニクリフニクラのことを聞き、5年後に自分が生きているかを知りたいと思います。

そこでフニクリフニクラのことをスマホで検索するも、ヒットしたのはSNSの死んだペットに会いに行ったという記事だけ。

ちなみにおそらくこれは、「さよならも言えないうちに」の第二話で、ゴールデンレトリーバーのアポロを老衰で亡くした主人公・スナオと坴男(むつお)夫婦だと思われます。この話も涙の感動作です。

「さよならも言えないうちに」については以下の記事をどうぞ。

そして利華子は未来へ。

彼の芲田(はなだ)学との思い出が語られた後、5年後のフニクリフニクラには、少しやわらかい印象になった数ちゃんと、赤ちゃんを抱いた刻さんが!そう、幸ちゃんが生まれているのです。

そんな5年後の数ちゃんをうらやましいと思った利華子は、自分の生存確認はできず、状況から生きていないかもしれないと感じます。

そして、数ちゃんから自分が頼んでおいたあるものを受け取って、現在に戻ります。

現在に戻った利華子はどうなったのか、果たして5年後の真実はどうだったのかは「愛しさに気づかぬうちに」を読んでみてください。

私事ながら、がん治療中である私にとっては、なんとも心に響くお話でした。

第四話 亡くなった父親に会いに行く中学生の話

冒頭は、絹代さんに「あなたの夢はなに?」と聞かれた流さんと刻さんというところから。

刻さんは、「僕の夢は数さんと結婚することです」と即答。しかも数ちゃんもいるところで。

数ちゃんの幸せを願う絹代さんは、刻さんを好ましく思っており、応援しています。

流さんの答えは、悩んだ挙句「おいしいって言われることっスかね?」

第二話で語られることですが、流さんは独学で料理を学び、スカウトされるほどの腕前

メニューは存在しませんが、材料さえあればお客さんの求める料理を何でも出します。

その夢は既にかなってると言う絹代さんの夢は。

「数ちゃんが幸せになってくれること。」

一瞬手を止めた数ちゃんは、小さく頭を下げただけ。この数ちゃんの頑なな心が解けたのは何がきっかけだったのでしょう。

そこへやってきた客は中学2年生の須賀ツグオくん。

ツグオくんはカルボナーラを頼み、そこで刻さんは店を出ます。

出てきた流さんの絶品カルボナーラに、ツグオくんは満面の笑みでおいしいと言いますが、泣き出します。

ここで、ツグオくんがこの店にやってきた理由がわかりますが、またしてもアポロの記事がきっかけとなっています。

ツグオくんは、生まれてすぐ両親が離婚し、自分を育ててくれたお父さんが4か月前に突然心臓の病気で亡くなり、アポロの記事を読んで、お父さんに会えるならとやってきたのでした。

ただ、お父さんがフニクリフニクラに来たかどうかがわからない

お父さんは料理人で、神保町でおいしいカルボナーラを食べたことがあると言っていて、フニクリフニクラも神保町だからと思ったそう。

会えるかどうかわからないツグオくんの背中を押したのは、亡き妻の計さんならどうするかと考えて声をかけた流さんでした。

そして過去に戻るツグオくん。そこでわかるいろいろは実際に読んでみてくださいね。

最後の刻さんと数ちゃんのメール

「愛しさに気づかぬうちに」の最後に、フランスへ撮影のために行った刻さんから数ちゃんに、メールが届きます。

写真と共に添えられた一文は

「いつか、僕と結婚してください。刻」

これに対して、それまで返信をしたことのなかった数ちゃんが初めて返したメール

「考えておきます。時田数」

わー!!この後ふたりがどうやって夫婦になるのか、続きが楽しみです!

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