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ペットが死んでしまうということ

シニア犬 未分類
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夫の伯父が亡くなった時、その愛犬ベスを我が家で引き取りました。

ベスはその時点ですでに15歳のおばあちゃん犬でした。

そしてベスが我が家に来て3年と少し。

とうとうベスは亡くなりました。

最初は飼うことに反対

当時我が家はペット不可の一戸建ての借家でした。まずそれが第一にあったし、ペットを飼うにはお金も手間もかかります。そしてどう考えてもその手間はほとんど私にかかってくるものだと予想できたし、ペットがいたら遠い実家に帰ることができなくなってしまいます。

でも、誰も引き取り手がなく殺処分になってしまうのは私としても嫌だったし、大家さんが許してくれたらというのが第一条件で、飼い主はあくまで飼いたいと言い出した夫であり、世話は全員で協力するという条件で飼うことにしました。

そして大家さんは外飼いであればと許してくれ、ベスは我が家にやってきたのです。

一緒にいれば情がわくというもの

そもそも私は犬が好きなのです。

一緒にいればかわいいと思うのはわかっていました。

そしてベスはなによりいい子だったのです。もともと野良犬で伯父さんに拾われた雑種でしたが、美犬でした。飼い主にとても気を遣う犬でもありました。

散歩に行くとわかると喜びの舞を踊り、勢い余って頭をぶつけ、それでも勢いよく走りだすのですが、散歩相手をちらちらと見て気遣い、子どもたちが相手なら遠慮なく走り続け、夫や私が相手なら途中でスピードを落としたりするような子でした。

伯父さんの家にいる頃より散歩が増えたせいか肥満気味だった体もしまって、うちに来て2年くらいは元気に走れるおばあちゃん犬でした。

でもだんだんと暑さ寒さに弱くなり、歩ける距離も縮まってきました。そろそろずっと外で飼うのは厳しいという頃、我が家は家を建てることになりベスの小さな部屋も用意しました。

要介護になってから

新居に引っ越して間もなくの頃、ベスは前庭疾患になりました。

老犬に多い病気のようで、まっすぐ立っていられず、首を曲げてグルグルと回りだしたり倒れたりします。平衡感覚がなくなり、治っても再発をすることがある病気です。

最初は、お医者さんもびっくりするくらいすぐに回復したのですが、一度その病気にかかって以降、なんとなく元気がなくなり、後ろ足がどんどん弱っていきました。目も耳も悪くなってきていたので、お散歩も思うようにできず、足腰はさらに弱っていきました。

もう19歳になり、大型犬カテゴリーに入るベスは人間でいえば100歳を超えるようなおばあちゃん犬でした。近所の犬好きの方たちから、「がんばってるね」とよく声をかけられました。

そしてそのうち、自分で飲んだり食べたりできなくなり、夫が定期的に点滴をするようになりました。また、夜中に泣くようになったので、私がそのたび起きて面倒を見る生活で、正直なところ私も仕事をしながら家事育児をしているのに十分寝ることも出来ず、ひとりにできないベスのために時間をやりくりして外出時間を調整する日々がつらくなってきていました。

そしてその日

前の日から元気がなかったベスは、その日は朝からまったく食べませんでした。口元に食べ物を持っていっても一切口を開けず、ぐったりと横になっていました。窓から外を見ていて、いつもなら何度も吠えて私を呼ぶのに、その日は全然吠えなかったのです。そして下痢をしました。

もうだめかもしれないと思いながらペット用のスポーツドリンクだけを飲ませていました。

そして子どもたちと夫が帰ってきて、状況を伝えると、夫は何か食べさせなきゃと言って、介護用の少し高い缶詰を買ってきて食べさせようと口に入れましたが、血便が出てそのまま亡くなりました。

夫は自分が無理やり食べさせたせいだと言いましたが、もし食べさせずに死んでしまったら、食べさせなかったせいだと後悔していたと思うのです。どうであれ、何かを後悔してしまうのだと思います。

ベスは本当はもっと早く息を引き取るはずだったのではないでしょうか。だけどきっと、飼い主である夫と、仲良くした子どもたちが帰ってくるまでなんとかがんばって耐えていたのだと私は今でも思っています。

ペットロスの期間

次の日ペット専用の火葬場にベスを連れて行きました。平日でしたが、子どもたちも行きたいと言ったので学校を休ませて家族全員で行きました。人間と同じような骨壺に納めて、小さくなったベスを連れて帰りました。

その次の日は、夫も子どもたちも普通に家を出ましたが、私ひとりになるとだめでした。

介護生活が習慣になっていたので、台所仕事を終えたらベスを見る、洗濯をしたらベスを見る、とひと仕事終えるたびにベスを気にしてしまい、その都度、もういないことを実感して涙が出てくるのです。

介護で疲れていた時に心配してくれていた母にも報告しようと思いながら、気持ちが落ち着いてからでないと電話できないでいました。そのうち別件で母の方から電話があったので、ベスのことを話しましたが、話しながらやっぱり泣けてきて、母も向こうで泣いていました。

ペットロスでつらい気持ちでいる飼い主さんたちは、どうやって気持ちを整理しているのでしょう。

私はやっぱり、つらいけど誰かに話して一緒に悲しむことがいいのかなと思います。夫は当初、私以上に落ち込んでいたので、話を聞く側になりました。子どもたちはそれぞれ思うところもあったのでしょうが、想像していたより立ち直りは早かったようです。

私は介護していた分、なんというかベスのことが子どものような感覚に近いものになっていた気がします。ペットはもう飼えないかなと思っていますが、ペットロスから立ち直る手段として、新しい子を迎えるという選択もあるようです。

大変だったけど、かわいいと思わせてくれて、楽しませて癒してくれたベスに感謝しています。今頃、伯父さんと散歩しているでしょうか。

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