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「自省録」名言を紹介「ミステリと言う勿れ」に登場した本を読んでみた

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2022年1月にフジテレビ月9でドラマとなった「ミステリと言う勿れ」が、映画化でまた話題になっています。2023年9月15日公開予定で、主要キャストと監督もドラマと同じ、内容は原作ファンにも人気の広島編だとあって、注目されている映画です。その「ミステリと言う勿れ」のドラマの中で登場した本「自省録」を読んでみました。この記事では、前半で「ミステリと言う勿れ」を紹介し、後半で実際に読んで響いた「自省録」の名言を紹介します。自省録を全部読むのは大変だけれど、どんなことが書かれているのか気になるという方はぜひご一読ください。

「ミステリと言う勿れ」とは

「ミステリと言う勿れ」は、田村由美さん原作の漫画です。小学館の月刊flowersで連載され、マンガ大賞2019で第2位、第67回小学館漫画賞一般向け部門を受賞している人気の作品です。

主人公は大学生の久能整(くのう・ととのう)。天然パーマでカレーが好きで、不愛想でおしゃべり。洞察力・記憶力があり、長々と自分の意見をしゃべる中で相手の心理を見抜いたり、事件に遭遇するとその謎を解き明かします。

ジャンルとしてはミステリですが、原作者の田村由美さんはミステリというつもりはなかったようで、主人公がしゃべり続ける会話劇を漫画にしたようです。

月9ドラマ「ミステリと言う勿れ」

人気漫画をドラマ化し、そのしゃべり続ける主人公を演じたのは菅田将暉さんです。

監督は松山博昭監督。脚本は相沢友子さん。

共演は、伊藤沙莉さん、尾上松也さん、門脇麦さん、永山瑛太さん、筒井道隆さんなどです。

当初は菅田将暉さんが原作のイメージと違うという声もありましたが、そこは演技力で最終話まで視聴者を引き付けた形だったように思います。

いかにも続編が作成されそうな雰囲気の最終回でしたが、この秋、映画公開が実現されます。

映画「ミステリと言う勿れ」

映画公開は、2023年9月15日です。

ドラマ版からの主要キャストに加え、松下洸平さん、町田啓太さん、原菜乃華さん、柴咲コウさんなどなどが出演されます。

遺産相続に巻き込まれた主人公・整が、一族の秘密にせまります。

公式サイト:ミステリと言う勿れ

「自省録」とは

「自省録」は、「ミステリと言う勿れ」の登場人物ライカが、暗号解読に使うアイテムとして出てくる本です。

整は、ケガをして入院することになった病院で、隣のベッドにいた元刑事さんから自省録を譲られます。この元刑事さんが、整より先にライカの暗号を解いて、ライカと自省録を使ってやりとりをしていました。

ライカとは

ライカは、整がいる病院に入院中の女性。ドラマでは、門脇麦さんが演じていました。

自省録をまるまる暗記していて、そのページ番号と段落、文字数をあらわす数字を羅列します。その数字に該当する箇所にあたる自省録に書かれている文字で言いたいことを伝えるのです。

ライカとのやりとりで、整は事件の解決の糸口をつかんだり、ときには病院を抜け出したライカとともに事件に巻き込まれたりします。

このライカは、友人や彼女のいない整にとって特別な存在になっていきます(恋人とは少し違う?)が、始めは謎だらけの人物。

そして判明したのは、ときおりライカが話していた千夜子という妹が、実は妹でなくライカと千夜子は同一人物であり、ライカは千夜子の別人格だったということです。

千夜子は、父親から性的虐待を受けており、その辛さから何人かの人格を作り出していたのですが、その人格たちのひとりがライカでした。

ライカは千夜子を守るのが自分の役目だと考えていて、炎の天使に放火を頼んでおり、千夜子の両親が死んだあと、回復していく中で千夜子の別人格はなくなっていき、最後まで残ったのがライカで、自分もいずれ消えるとわかっています。

ドラマでも、ライカとのせつない別れが描かれていました。千夜子にライカとしての記憶はありません。ですが、ライカが守りたかった千夜子には幸せになってほしいと思います。

自省録について

さて、ライカが丸暗記していた「自省録」とは、ローマの第16代皇帝マルクス・アウレーリウス(121~180)が書き残したものです。

もともと、世に出すつもりで書いたものではなく、日々自分を省みて思うまま書き連ねた日記のようなものだったそうです。

ですから、少し文章がおかしかったり、ところどころ意味がわかりにくかったりしますが、戦いに明け暮れ、混沌とした時代のローマで、人間とはいかにあるべきかということを考え続けた、哲学の本です。

これをライカが読んでいたというのが、またちょっとせつない気がします。

「自省録」名言を紹介

ここから、自省録の中で私に響いた名言を紹介します。

この中でいいなと思うものがあったら、ぜひ自省録を読んでみてください。

以下、岩波書店の「自省録/マルクス・アウレーリウス/訳 神谷美恵子」より引用

第一巻

  • 中傷に耳をかさぬこと。
  • 腹を立てて自分に無礼をくわえた人びとにたいしては和解的な態度をとり、彼らが元へもどろうとするときには即座に寛大にしてやること。
  • 自分の叱責を受けねばならぬ人びとにたいして歯に衣を着せなかったこと。
自省録/マルクス・アウレーリウス
訳 神谷美恵子

第二巻

  • 君には一定の時の制限が加えられており、その時を用いて心に光明をとり入れないなら、時は過ぎ去り、君も過ぎ去り、機会は二度と再び君のものとならないであろう。
自省録/マルクス・アウレーリウス
訳 神谷美恵子

第三巻

  • 各人はただ現在、この一瞬間にすぎない現在のみを生きるのだということを。その他はすでに生きられてしまったか、もしくはまだ未知のものに属する。
自省録/マルクス・アウレーリウス
訳 神谷美恵子

第四巻

  • いかなる行動をもでたらめにおこなうな。
  • 君はいつでも好きなときに自分自身の内にひきこもることができるのである。
  • あたかも一万年も生きるかのように行動するな。生きているうちに、許されている間に、善き人たれ。
  • 目標に向かってまっしぐらに走り、わき見するな。
  • 現在存在するものはすべて将来それから生ずるであろうものの種子なのである。
  • 君の不幸は、なにが不幸であるかについて判断を下す君の能力の中にある。
  • これは不運ではない。しかしこれを気高く耐え忍ぶことは幸運である。
自省録/マルクス・アウレーリウス
訳 神谷美恵子

第五巻

  • つねに信条通り正しく行動するのに成功しなくとも、胸を悪くしたり落胆したり厭になったりするな。失敗したらまたそれにもどって行け。そして大体において自分の行動が人間としてふさわしいものならそれで満足し、君が再びもどって行ってやろうとする事柄を愛せよ。
  • どうでもよい事柄において(他人が)失敗したとしても大した損害に考えるな。
自省録/マルクス・アウレーリウス
訳 神谷美恵子

第六巻

  • 「現在やっていることをよくやること」で足りるのである。
  • もっともよい復讐の方法は自分まで同じような行為をしないことだ。
  • 我々とともに競技をしているともいうべき人たちにたいして、多くのことを大目に見てあげようではないか。なぜなら私のいったように、人を疑ったり憎んだりせずに避けることは可能なのだから。
  • 君が自分に楽しい思いをさせてやりたいと思うときには、君と一緒に生活している人びとの長所を考えてみるがよい。
自省録/マルクス・アウレーリウス
訳 神谷美恵子

第七巻

  • 人に助けてもらうことを恥ずるな。
  • 未来のことで心を悩ますな。
  • まっすぐでいるか、もしくはまっすぐにされるか。
  • 自分に起こることのみ、運命の糸が自分に織りなしてくれることのみを愛せよ。それよりも君にふさわしいことがありえようか。
自省録/マルクス・アウレーリウス
訳 神谷美恵子

第八巻

  • 人が君のことをなんと思うかなどと気にするのは止めて、君の余生が長かろうと短かろうと、これを自然の欲するがままに生きることができたら、それで満足せよ。
  • 君がなにか外的の理由で苦しむとすれば、君を悩ますのはそのこと自体ではなくて、それに関する君の判断なのだ。ところがその判断は君の考え一つでたちまち抹殺してしまうことができる。
自省録/マルクス・アウレーリウス
訳 神谷美恵子

第十巻

  • 善い人間のあり方如何について論ずるのはもういい加減で切り上げて善い人間になったらどうだ。
  • 健全な眼は、なんでも見える物を見るべきであって、「私は緑色のものが見たい」などというべきではない。
自省録/マルクス・アウレーリウス
訳 神谷美恵子

第十二巻

  • 人は各々自分を他の誰よりも愛していながら、自分に関する自分の意見を、他人の意見よりも重んじないのはどういうわけだろう。
  • すべて君が苦手だと思うものにも慣れよ。なぜならば左手は習慣の無いために他のあらゆる仕事には不器用なのに、手綱は右の手よりもしっかりと持つ。それはこれに慣れているからだ。
自省録/マルクス・アウレーリウス
訳 神谷美恵子

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