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要約筆記者養成講座で感じた要約筆記者になるために必要なこと

要約筆記
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私が目にした要約筆記者養成講座の案内は、「あなたも新しいことを始めてみませんか」といった、軽い感じのボランティア活動のお誘いといった印象でした。しかし受講してみれば、それは立派な技術職であるとわかったのです。必要不可欠・重要で魅力的な仕事ではありますが、これは相当難しいと思ったその内容をまとめました。

要約筆記者になるために

要約筆記とは、聞こえにくいひとのために音声をその場で文字にして同時通訳することです。

要約筆記についてもう少し詳しく知りたい方はこちらの記事を参照してください。

要約筆記の重要性が認められ、ただのボランティア活動とみなされてきた要約筆記者の地位が確立されてきたのと同時に、専門性が高く、安定したレベルの要約筆記者を派遣できるよう、要約筆記者養成講座を都道府県が担うこととなりました。

そのカリキュラムについては、厚生労働省から通知されています。

そのカリキュラムによると、「必修講義44時間、必修実技30時間、選択必修10時間以上、合計84時間以上」となっており、なかなかヘビーな内容です。午前中からお昼を挟んで夕方まで続く日もあり、都道府県(場合によっては市町村)によって時間割は違うようですが、既定の講座を受けなければ要約筆記者の試験を受験できません。

ある程度人口があり、要約筆記者の養成に積極的な都道府県では、講座も毎年多くの地域で開講されるようですが、そうでないところもあるようです。

例えば私のいる愛媛県は、県内が「東予」「中予」「南予」と3つのエリアに分かれており、エリアごとに開講されています。ところが、一番大きな市の松山市がある「中予」では毎年開講されるのに、「東予」「南予」では、交互に1年おきにしか開講されません。その年に受けられなければ、2年後になるか、遠くの地域まで通わなければなりません。(2022年8月現在)

要約するための日本語能力

要約筆記は、話す人の内容をその場で文字にする同時通訳です。

文字にするスピードは、話すスピードにはとてもとても追いつきません。

ですから「要約」になるわけですが、これがなかなか難しい。ちょっと考えている間に話はどんどん先に進んでいきます。記憶力にも限界がありますから、かなり短い時間で語句の取捨選択をし、短い言葉に言い換えたりまとめたりするのです。

古来からの日本語、いわゆる和語であらわすと長くなるものを、漢字自体に動作の意味が含まれる漢語の熟語に言い換えて、さらに体言止めをしたり、適切な助詞を使いこなしたりとテクニックが必要になります。

さらには漢字の読み書きが正確にできる力も必要です。

ノートテイクという手書きの要約筆記であれば、大きく読みやすく正しい字を書かなければいけません。パソコンでの要約筆記であれば、変換候補が出てくるので正確に書けなくてもなんとかなるかもしれませんが、変換ミスがあってはいけません。

人が話す内容というのは、必ずしもきれいにまとまっているわけではなく、脱線したり、同じことを何度も言ったり言い間違えたりするわけで、それをその場でまとめる能力ってすごいなと思いました。

ちなみに、通訳なので、言い間違いだと気づいても、要約筆記者は訂正せずに話を間違ったままそのまま筆記します。

同時通訳のための文字入力の速さ

そしてなにより、文字入力を速くできるようにならなければいけません。

手書きであれば、早く書く(しかも読みやすく)必要があります。しかし、手書きはやはりどうしても時間がかかるので、ある程度略した書き方を使うこともあります。

手書きに比べれば、パソコンでのキーボード入力の方が短時間で多い文字を入力できます。要約筆記用の「IP talk」というソフトがあり、このソフトには要約筆記に適した便利な機能があります。とは言え、タッチタイピングの練習は不可欠です。

パソコンでの要約筆記であればパソコンの準備も

手書きの要約筆記であればパソコンは必要ありませんが、最近はパソコンでの文字入力をしてプロジェクタースクリーンに映し出すスタイルが多いようです。その場合は、自分で使えるノートパソコンを持参できることが講座受講の要件になっていることもあります。

パソコン仕事

そのパソコンも、ウイルス対策ソフトが入っていることや、有線でのLAN接続ができること(LANケーブルも必要)など、都道府県それぞれで必要なスペックが記載されていることもあります。

また、原稿が用意されている場合、そのデータを読み込むためにマイクロソフトオフィスが搭載されていることがベターのようです。私は家族用のパソコンにオフィスが入っているため、自分用のノートではオンライン版のオフィスを使うのみで搭載されておらず、結構な出費が必要と判明しました。

聴覚障がいを知ること

そして、これが一番重要だと思いますが、音が聞こえにくいということを少しでも理解する努力が必要です。たんに聞こえないというのでも、障がいのタイプが様々であり、そのひとそのひとで置かれている状況も、コミュニケーションの取り方も、こちらが注意すべきことも違ってくるからです。

補聴器のことや、耳の仕組み、中途失聴者についてまとめた記事もあるので、気になる方はご覧ください。

要約筆記はすばらしい技術職

市町村での要約筆記者養成講座・入門編を受講し、いろいろ勉強してみて、要約筆記がどれだけ必要で、高度な技術職で、やりがいのある仕事かということがよくわかりました。

実は私は入門編卒業をもって、講座受講をいったん終了しました。

というのは私のいる市町村の講座では、要約筆記者の試験を受けるに必要なカリキュラムが全部用意されておらず、前述した愛媛県の2年に1度の講座を受けなければならなかったのです。子どもたちの受験にちょうどかぶる年で、土日のほとんどがつぶれてしまう日程だったため、挑戦するのは見送ることにしました。

難しい試験ではありますが、無事合格して「要約筆記者」になると、派遣されるにあたりきちんと報酬も出ますし、なによりやりがいのある仕事だと思います。もし興味がありましたら、お住まいの地域の講座を調べてみてください。

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