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思い出が消えないうちに 「コーヒーが冷めないうちに」第3弾ネタバレ紹介

アイスコーヒー 読書
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サンマーク出版から出ている川口俊和さんの「思い出が消えないうちに」を読みました。

これは映画化もされた「コーヒーが冷めないうちに」、その続編である「この嘘がばれないうちに」に続く物語です。

コーヒーが冷めないうちにの中で、喫茶店フニクリフニクラの未来に二美子さんと五郎さんがいて、流さんと数ちゃんが北海道にいた理由がわかりました。

「コーヒーが冷めないうちに」と「この嘘がばれないうちに」については以下をどうぞ。

(以下ネタバレ)

「思い出が消えないうちに」というタイトルからなんとなく想像していましたが、今回はどれも死んでしまった人、もしくは死んでしまう人に関する物語です。

舞台は、流さんの母親であり数ちゃんの伯母さんにあたる時田ユカリさんの喫茶店「喫茶ドナドナ」、そのお店が北海道なのです。

困っている人を放っておけない自由奔放なユカリさんは、行方不明になったお父さんを探すアメリカ人の少年を助けるため、少年とともにアメリカに行ってしまいました。残されたのはアルバイトの大学生・玲司だけ。

ユカリさんは、玲司にバイト代は払いつつお店は長期休業にするつもりでしたが、そんなわけにはいかないと玲司が東京の流さんに相談。責任を感じた流さんが店長代理として北海道へ。

そして数ちゃんは、例の不思議なコーヒーを淹れられるように成長した数ちゃんの娘・幸ちゃんを連れて同行、東京のフニクリフニクラではコーヒーは流さんの娘ミキちゃんが淹れ、流さん不在の間は二美子さんたちが手伝ってくれることになった、ということでした。

物語の出だしには、未来に行った計さんが、電話で北海道の流さんと話すシーンが出てきます。

数ちゃんの夫の新谷刻は、世界的に有名な写真家で世界中を飛び回っていて、仕事上は新谷を名乗っていますが時田家に婿入りしたそうです。刻さんは登場しませんでした。

まだまだいろいろ気になる点が残っているので、また続編が出るのでしょう、たぶん。

幸ちゃんは7歳になったばかりで、コーヒーを淹れられるようになったところ。でもユカリさんの代役をしっかりこなす、頭のいいデキる子です。


第一話「ばかやろう」が言えなかった娘の話

これは、自分を産んだすぐ後に死んでしまった両親のせいで、自分はとてもつらい思いをして生きてきたから、過去に戻って両親にばかやろうと言ってやると決めてドナドナに来た女性の話です。

過去に戻ったときの店内に、現在は売れっ子の芸人コンビポロンドロンが出てきますが、このポロンドロンが第二話の主人公です。

第一話、せつないけど感動します。そしてユカリさんのすごさにも感動。数ちゃんのすごさにも感動。時田家ってすごい。

第二話「幸せか?」と聞けなかった芸人の話

現代のポロンドロンが登場。そして、ポロンドロンのコンビ愛と、その片割れの亡くなった奥さんとの夫婦愛、そしてやっぱりここでもユカリさんのすごさと数ちゃんのすごさにおののくわけです。

そして第二話のエピソードが第四話のエピソードにつながります。

第三話「ごめん」が言えなかった妹の話

この本の最初から登場する常連客・精神科医の沙紀さんと、その患者である麗子さんと、麗子さんの死んでしまった妹・雪華さんの話です。

妹の死を受け入れられずに精神的に病んでいく麗子さんを、死んでしまう前の雪華さんがユカリさんのコーヒーの力でやってきて立ち直らせます。

本の始めからずっと引っ張られてきた内容が第三話で決着。ここでもやっぱりユカリさんがいいです。そして流さんが計さんを思い出します。

第四話「好きだ」と言えなかった青年の話

喫茶ドナドナのバイトとして、ずっと物語に関わってきていた玲司くんが主人公。

そして同じく、最初から沙紀先生と一緒に登場していた玲司くんの幼馴染み菜々子ちゃんとの話。

大学生の玲司くんは芸人を夢見てオーディションを受けまくっているのですが、それを応援する菜々子ちゃんは自分が病気であることも、ずっと玲司くんが好きなことも告げないまま手術のためにアメリカにわたります。

アメリカに行ってしまった菜々子ちゃんへの気持ちに気付いた玲司くんは、コーヒーで過去に戻ることに。

この第四話では、第二話のポロンドロンの夫婦のエピソードがたびたび重なってきます。

そして過去に戻った玲司くんの言葉で、菜々子ちゃんはつらい闘病の日々を頑張ることができました。

過去からもどった玲司くんは、ユカリさんのすごさを実感します。第一話から第四話まで、ユカリさんの計らいがなければどうなっていたかということばかりでした。

そして芸人を目指して上京する玲司くんに、幸ちゃんがプレゼントしたお気に入りの本は「恋人」。そう、「コーヒーが冷めないうちに」の白いワンピースの幽霊、つまり数ちゃんの母親であり幸ちゃんのおばあちゃんが読んでいた本です。

しかし結局、菜々子ちゃんは亡くなりました。でも玲司くんは数年かけて芸人グランプリで優勝し、菜々子ちゃんの墓前にお気に入りの本と結婚指輪を供えます。

「思い出が消えないうちに」ラストは

「思い出が消えないうちに」のしめくくりは、その玲司くんが供えた本「もし、明日、世界が終わるとしたら?一〇〇の質問」のあとがきです。この本は、物語中何度も登場した重要な本なのですが、実はこの本の著者はユカリさんで、ユカリさんの人の死に対する考えを綴ったあとがきで終わるのです。

四話とも死に関わる上に、最後も菜々子ちゃんが死んでしまい、せつない終わりでした。でも暗い気分にはならずに終われる物語です。

死と言えば、今回も数ちゃんのお母さんが過去から戻らなかった訳はわからずじまい。

夫の刻さんも登場せず。

ユカリさんも目の前には登場せず。

続編待ってます!

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